2007年03月08日

戦争と土壌汚染

宮部みゆきさんの『名もなき毒』を読みました
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344012143/hatena-22/ref=nosim
『誰か』の続編として読めますし、前作を読んでいなくても大丈夫です
ミステリ−ですからネタバレ禁止にしておきますが
土壌汚染の問題を上手に盛り込んでいます
宮部さん自身の経験がヒントになっているそうです
インタビューをご覧下さい
http://books.yahoo.co.jp/interview/detail/31762691/01.html
自分の住んでいる土地が、買う前から汚染されていても、
それを知らなかった、という場合があります
汚染の原因は自分になくて、何も知らなくても、汚染された土地を売って、
そこを買った人の具合が悪くなった場合、売主が全ての責任を取らなければなりません
それが作中の殺人事件の背景になっています
本当に責任のある人間の罪は問われず、運の悪い人間が責任を取らされ
貧しい人間がわずかな土地を売れずに困窮するということも起きてきます

土壌汚染の最大の原因は、戦争なのだそうです
戦後あらゆるものを埋め殺して復興させた東京には深刻な土壌汚染が残っています
それは東京に限らないことです
何が出てきても今更何の補償も受けられず、個人の責任になります
登場人物の台詞の中に「だから戦争なんかしちゃいけない」という一言が
さりげなく埋め込まれています
いつもながらストーリーがわかりやすく面白く押し付けがましくなく、
うまい、の一言です
『誰か』は、正直言って物足りなかったのですが、
この作品は一級の娯楽作品としてお薦めできます




posted by 183 at 12:42| エコロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする