2013年07月12日

漫画はポルノの模写ではない

実在児童のポルノ写真をCGで再現し販売した男性が逮捕されました
実写でなく創作物で逮捕された、という誤解を誘導する見出しでした
しかし現行法でも、実在児童の絵も彫像も児童ポルノに該当しうることになっています
今回の、90%の再現率のCGを児童ポルノとする判断は、現行法で可能ということです
https://twitter.com/okumuraosaka/status/355669101143785474
https://twitter.com/okumuraosaka/status/355233280171315201
詳細は専門家の記事をご参照下さい
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20130712#1373515654

逮捕されたCGは、ポルノでなければ写真集の著者に訴えられる盗作です
漫画やアニメの場合は、これとは違います
ポルノ以前に、他人の著作物を下敷きにすると著作権法に抵触する恐れがあり、構図が似て
いるだけで告訴される恐れもあるため、神経を使っています
写真のトレス、反転した上での模写、同一のポーズ、同じコーディネイトも、避けます
たまに他人の絵や広告写真を下敷きにした絵を見かけますが、訴えられなくても、ネットで
オリジナルと比較され読者の批判を浴びています
プロはモデルなしで色々なポーズが描けて一人前であり、そういう批判は恥です
うまい人は当たりも下絵もなしで頭から足の指まで瞬く間にペンで写実的に描きます
難しいことですが、それが理想です
リアリティを求めて写真をトレスする人もいますが、その場合も自分で写真を用意します
盗作ポルノと同じに見られてはたまりません
写真集は見ますが参考にする程度です
作家・出版社は、著作権侵害になる今回のCGのような盗作をすることはありません

問題は、盗作でなくモデルもない「写実的な創作物」です
スウェーデンの日本漫画研究家の場合、写実的な絵が1点ありましたが無罪となりました

児童ポルノを犯罪とする目的は、立法過程の議論から判断できるように、背後に
隠された虐待の可能性からの児童の保護、児童を性的な行為に勧誘するために
用いられる可能性の排除及び児童一般の尊厳の保護である。問題となったマンガ
イラストでは、これらすべてに関して、実在の児童を描写又は撮影したポルノ
よりも侵害の程度やおそれは、相当に低い。とりわけ、実在の児童に対する実際の
侵害は、存在しない。児童一般の尊厳についても、実在の者のようにも見えず、
かつ、実在しない児童を描いたポルノを犯罪とすることは、自由な意見形成に
対する脅威となるほど長期間の表現の自由及び情報の自由に対する制限となる。
(中略)
しかし、非実在の児童を描写したマンガイラストが侵害しうる法益は、その他の
児童ポルノよりも、程度が低く、表現の自由及び情報の自由の制限が認められる
ほどではないため、想像上の児童を描写したマンガイラストの所持は、児童ポルノ
罪として処罰できないというのが、最高裁の判断である。

「スウェーデン最高裁における非実在児童ポルノ所持無罪判決」
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8111654_po_02550012.pdf?contentNo=1


この判断は日本の場合でも妥当なものだと思います
モデルがあっても、変形されて判別が難しい場合は、また問題です
細かい論議は必要でしょう
しかし実在ポルノの加工品を売りさばくのはポルノ製造と同じで、創作とは別物です
漫画の場合は、そもそも模写はしないのがプロの意地というものです
写真の模写をしなくても、魅力的な顔が描けるのが漫画家・アニメーターです
全ての姿態に独自の思いを込めています
posted by 183 at 13:45| 児童ポルノ禁止法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする