2015年03月24日

報道被害の実例

紙の新刊が重なります。
本日発売の「本当にあった悲惨な生いたち」(ぶんか社)に『噂の悪女』が再録されました。
この作品は、知人から聞いたある事件の誤報による被害体験をヒントにしています。
しかし事件を漫画にしないことを条件に詳しい話を聞いたため、あくまで実話は参考に止め
別の事件を考え、人物も人間関係も、性別も年齢も全て違う物語にしています。ただし報道
被害が起きる理由だけはわかるように細かく描いています。その事件では、被害者や加害者の
家族も親しい人たちも、当事者を守るために取材協力をしなかったため、一部の、当事者を
よく知らない人、距離のある人、個人的にマスコミに出たい欲のあった人がスピーカーになり
そこから事実と異なる話が拡散され、繰り返し尾ひれのついたゴシップが流され、漫画にもなり
今でも最初の誤報による事実と違う物語が流れています。だからといって後から否定して回る
こともできません。脅迫、パパラッチの被害が周辺の子供にまで及んでいました。
関係者が取材に応じる、家族が表に出る場合は、これよりは正確な報道になると思いますが、
それでも周辺の取材では誤報は避けられないと思います。
事件が報道された早い段階から、周辺の人も含め嫌がらせを受けるようなことがなくなるよう
願って描きました。作中では家族の関係は、絆が強まったことにしています。
これは実はヒッチコックの「鳥」がヒントになっています。不仲の女性同士がパニックに襲われ
闘ううちに絆ができる結末は、ファンタジーかもしれませんが、そうあってほしいと思います。

「恐怖の快楽」(ぶんか社)には『女の武器』が再録されています。
こちらは、会社での噂が元で失脚する話です。噂は事実とは違うのですが、影響が大きいため
トラブルを恐れて始末されてしましました。これも完全なオリジナルストーリーですが、噂が
元で会社を辞めさせられた実例をいくつか知っており、それを前提に考えました。
作中では、噂を流された人物が女性を傷つけているので自業自得に見えるように描いています。
しかし、全く誰も傷つけていないのに社外であらぬ噂が立ち辞めさせられる、或いは、一方的な
恨みを受けて噂を流され閑職に移される、ということもあります。噂の早飲み込みは禁物です。
昔から、ネットがなくても噂成敗ということはありました。ネットのせいとはいえません。
2作が同日に発売されたので、そこがわかりやすくてよかったと思います。

posted by 183 at 12:07| 作品解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする