2016年02月10日

2位じゃダメなんでしょうか?

私は少女漫画と未婚・既婚向け女性漫画しか描いたことがありません。
男性向けは違うと思いますし、時代の違い、会社による違い、編集者による違いもあります。
書いているのはあくまで直接経験した範囲、或いは直接知人に話を聞いた範囲のことです。
特定の個人や団体を批判する意図はありません。
話は全て特定なしで、再構成しています。

国会議員が事業仕分けで「2位じゃダメなんでしょうか」と発言したことが批判を呼びました。
漫画では、巻頭カラーが1位と決まっています。前回低調で最下位だった人が次に巻頭で1位を
取ることもあります。また、編集者に聞いた話ですが、巻頭カラーの出来が悪く、編集部一同
「失敗だ」と頭を抱えたのに、結果的にはやはり1位だったこともありました。
「どうしよう、こんなつまらない話が1位取っちゃった」と編集者が嘆いていました。
それほど、巻頭で外すことは珍しいのです。
巻頭で外すと厳しいですが、逆に巻頭でないのに
1位を取れば、金星です。2位でも差が小さければ、受けたのは2位の作品だ、と評価されます。
つまり、巻頭カラーでなければ、2位でいいんです。
巻頭カラーの1位はほぼ決まっていますが、問題は順位でなく、雑誌が売れるかどうかです。
誰が巻頭なら売れるか売れないか、が見られています。それが仕事だと思わないとダメです。

2位と差のある3位は、初登場ならともなく、それなりの評価です。その雑誌で長くやっている
人なら、編集者から何が何位、と毎回つぶさに聞かされています。ですからアンケートを取る
コツを知っています。外せない、危ないと思い、過去のデータを総動員して外さない話を描いて
結果的に3位を取ったとしても、編集者は評価しません。「何年やっているんだ、アンケートに
甘えるな!」とこっぴどく叱られた、という話を聞いたことがあります。
口の悪いベテラン漫画家が「この雑誌で受けるのは、動物と子供と病気」とうまく言いました。
そういう傾向は、確かに、女性向けならあるかもしれません。そういう無難に受けるコツを
つかんだベテランの「何回も読んだネタ、話」は読者に受けても、編集者の期待は違います。

3位より下の順位でも、無難な計算づくの3位より、冒険している漫画もあり、それを評価して
使ってみる編集者もいます。ただし、いつも中下位でいいと甘んじてしまうのは、怠惰です。
看板を背負う気がないと、壁を破れず、よくて穴埋め、悪ければフェードアウトです。

私は1年めを過ぎた頃に3位を取りましたが、それは受けやすい設定を狙った結果でもあります。
評価されなかった理由は、今はわからないこともありません。
それでも、経験のない新人に、1年2年でトップに出ろという要求は、厳しいと思います。
事実上明日がわからない失業者に近い生活、心境です。アシスタントなどのアルバイトもあり
ますが、時間がなくなり描けなくなる、またアシスタントに甘んじてしまう恐れもあります。

デビュー前の話は、書くほどのこともありません。
思い返せば、投稿時代など居眠りしていたようなものです。
そのくらいの落差があります。
デビュー前の「私は天才」がどうなるか、経験してみると面白いですよ。

これ以前の記事はHPに一覧にしています。
http://www.shinobumakimura.org/blog/
posted by 183 at 13:15| 漫画けもの道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする