2016年02月16日

タイトル地獄

投稿時代とデビュー後の打ち合わせの厳しさの違いは想像以上でしたが、タイトルのつけ方も
一段と厳しい指導を受けました。タイトルを考えるのが苦痛になるほどでした。

タイトル20本出しを寝ずにやらされました。それで決まったタイトルが、別の大御所の先生と
一語かぶるから変えろと言われ、また20本出しをさせられました。最初から複数のタイトル
を出して、その中から選んでもらえればいいのですが、そうでない場合はタイトルだけで1日
以上かかってしまいます。よく、プロの漫画家が締め切りを遅らせる、破る、という話を聞き
ますが、それは、プロット、ネームの段階でなかなかOKが出ず、スケジュールが押して、予定
していたアシスタントにも来てもらえなくなり、人数不足で徹夜しても間に合わなくなるから
です。誰も破りたくて破るわけではありません。その上タイトルも決まらないと難渋します。
編集者の提案するタイトルがどうしても自分の気に入らず、投げたくなることもありました。
学生時代からのアマチュア仲間にバカにされるような甘い言葉を入れることもありました。

タイトルひとつで人が見るか見ないか決まる、アンケートが違う、売れ方が違うのは事実です。
それを徹底して教えられました。比較的読者年齢が低いほど厳しかったように思います。
読者が大人ですと、まだ地味なタイトルでも渋好みで読んでもらえますが、それでもタイトル
しだいで差がつくことを意識しないわけにいけません。甘い雑誌もありますが甘えられません。
デザイナーに「私には権限がないが、この雑誌はタイトルのつけ方が甘い」と忠告されたこと
もありました。心しないといけません。

タイトルで売れた好例は「世界の中心で、愛をさけぶ」でしょう。当初は「恋するソクラテス」
でしたが、編集者の判断で変更して当たりました。
政治好きには「日本改造計画」がわかり安い例です。当初の案は「夜明け」でした。編集者の
考えで、結局「日本列島改造論」を思い出させるタイトルに変えて売れました。

ネットでは誰でも習作を投稿して公開することができます。そこで気になるのは「無題」が多い
ことです。本当に習作ならそれでもかまいません。しかしマネタイズを意識しているなら無題は
ありえないと思います。シェアボタンでSNSに紹介する時「無題」では損です。紹介者が自分で
気の利いたコピーをつけなければならず、それが作者の気に入るかどうか心配で、ためらうこと
もあります。紹介してもらえる機会が少なくなります。本気なら投稿ごとに真剣にタイトルを、
売る気なら独りよがりでないタイトルを考え、反応を見て変えていく努力が必要たと思います。
「漫画けもの道」もタイトルをいくつも考えて決めました(汗)。

これ以前の「漫画けもの道」はHPに一覧にしています。
http://www.shinobumakimura.org/blog/
posted by 183 at 15:12| 漫画けもの道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする