2016年02月25日

無法地帯

今頃HPに大幅に加筆し、漫画けもの道のような文章を続けて書いたのは、やはり自分で
書かないとどういう仕事をしてきたか理解されないということがわかったからです。
簡単な略歴、時々ブログに書いた記事だけでは、読む人は少なく検索されることもなく、
特にHPさえろくに見ない人の上から目線の書き込みや甘えたメールには閉口しました。

ありがちですが、自分の好きなことを遊びながらやっているような思い込みは迷惑です。
繰り返し書いた通り、仕事を取ることから競争で、間違っても遊び気分ではできません。
働き方については、人により違いますが、労働基準法は適用されず、アシスタントも
事実上漫画家と同じようなものです。無理に働かされて亡くなった人も知っています。
私は明け方の4時に電話で起こされて、これから来いと言われたことがあります。行けば
徹夜続きの修羅場です。その時は自分の締切明けでしたのでお断りしましたが、誰かが
代りに行ったはずです。どうなっても自分の責任です。
亡くなったり病気になったりする人の話は抑えられてあまり表には出ませんが、実際ある
ことです。身体がきついなら、やめるに越したことはありません。それでも腕があれば
使ってくれるところは見つかります。やめる人の多い、人がいつかない仕事場は、実は
有名です。学校を出たばかりのあまり内情を知らない人が連れてこられることもあります。
どんな法律ができようと、徹夜も飯抜きも止められないでしょう。間に合わなければ仕方
ありません。徹夜する時は必ず何か食べるか、コーヒーでなく牛乳や液状栄養補助食品を
飲むくらいはして、急性心不全を起こさないように注意することです。

漫画を漫画家が好きに作っているという勘違いも迷惑でした。同人誌やネット漫画と違い
出版社の編集者の判断で掲載が決まることくらいは知ってほしいと思います。他の仕事と
同じく、1人で自由に楽しみながらやれるということはありません。仮に編集者が好意的
でもお客である読者の反応が悪ければ1度で終りです。編集者も失敗すれば責任を問われ
ます。読者は自分の思うように動く子分ではなく、手ごわく難しい世間そのものです。
もし自分の希望する漫画がないと思うなら、突然知らない漫画家にメールを送りつける
のではなく、自分で企画書を作って出版社に持ち込んで下さい。漫画家には次の仕事が
ないかもしれません。プロになっても何の既得権、保証もありません。
絵が描けないなら、原作でもいいと思います。他人に頼るのはやめましょう。

貧乏漫画家のために国があるわけではない、という批判もありましたが、国の補助など
一度も受けたことはありません。漫画は浮き沈みが激しく、貧乏な時もあれば、春には
もう1年分稼いでしまって今年働かなくていい、と思う時もあります。それでもその場で
使い切るようなことはせず、蓄えて増やしたからここまで生きてこられました。景気の
浮き沈みも勉強すれば読めるようになります。財テクで損をしたことはありません。
若い女性漫画家やアシスタントには何も備えないで結婚を当てにする人が時々いますが、
当てが外れてどうなっても自分の責任です。非モテの私は、王子様に期待せず、年金が
もらえる民間の保険にずっと昔に入っています。

職業選択の自由があり自分で選んだからこそ他人を責めることなどしません。しかし他の
仕事でも、会社員でも、選択できるのですから、漫画家だけが自己責任のように言われると
それはお互い様だろう、と思います。漫画家なんか選ぶ奴がバカ、と思うのは勝手ですが、
言われなくても誰のせいにもしたことはありません。逆に、俺の仕事は苦しいのに漫画家は
楽でいい、というやっかみも勘違い、迷惑です。

こうした基本情報をまとめて出した方がいいと考えて記事を書きました。

これまでの「漫画けもの道」はHPに一覧にしています。
http://www.shinobumakimura.org/blog/
posted by 183 at 12:43| 漫画けもの道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする