2016年04月22日

反面教師のヒロイン

4月21日発売の「別冊家庭サスペンス」(セブン新社)に『息子が恋人』が再録されました。
新書サイズの雑誌に掲載するため、通常の原稿サイズでは細部が潰れるので、原稿用紙も
小さいものに替えて描いた方がいい、と編集者から指示されて描いたものです。
再録の雑誌は初出よりサイズが大きいA5判のため、やや線が太く見えますが、ご容赦下さい。

恋愛経験のない女性が、失敗を恐れ、浮気しないと思った地味な容姿の男性と見合い結婚し、
裏切られ、息子を溺愛して理想通りに育てようとしますが、都合よくいかず破綻します。
ラストは編集側の要望に応えてアンハッピーエンドにしていますが、私のオリジナルです。
地味な男性と結婚すれば浮気されない、と思って失敗した女性の話をヒントにしています。
イケメンは遊び人で地味なら安心というのは間違いだと、私も経験上断言しますが、最近
たまたま読んだ宮台真司さんの『日本の難点』にも同じことが書いてあって、なるほどと
思いました。彼が取材したナンパ師の男性は皆地味な容姿で安心感を抱かせるそうです。
イケメンの方が遊び人と思われて女性に避けられていたそうです。そこを勘違いする女性
は見る目がないということでしょう。安心感を抱かせる、これが肝心です。またまめさも
大切です。まめで安心できる人がもてないわけもなく、まして遊ばないとは言えません。

ヒロインは自分が安心して暮らせることを第一条件に考え、常時そのために家族を管理
しようと心理的に圧迫しています。経済力に裏打ちされた発言力も持っていません。
愛情を持って献身しているように見えますが、全ての行動が自分の安全を守りたい利己心
から出ています。それは子供も夫も感じています。
難しい問題提起をしても32ページで解決するのが基本ですが、無理にハッピーエンドには
せずにヒロインを反面教師とする、一息つける結末にする、アンハッピーでも救いを入れる、
など様々なラストの作り方があります。この作品はヒロインを反面教師として描きました。
読後感の良いハッピーエンドではないため、好き嫌いがあると思います。
ご興味をお持ちの方は、どうぞよろしくお願いいたします。

posted by 183 at 11:15| 作品解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする