2016年11月07日

バカ親から貧困の連鎖へ

紙の新刊です。
本日発売の「家庭ミステリー」(ぶんか社)に『家なき子』を再録していただきました。
一部編集様と打ち合わせの上ネームを変更しています。
初出と再録では担当が違い、雑誌も違い、新たに組まれた特集の企画も違い、時代の変化もあり、
必要と考えた修正を行いました。
初出の時はまだ消費税も上がっておらず、景気も売り上げも今よりよかったので、家庭の問題を
取り上げる時「バカ親」、「バカ母」という言葉がよく使われていました。親のエゴに原因を求め、
子供のためにどうすべきかを「漫画なりに」描いていました。この作品も「バカ親」特集でした。
ラストは、お金持ちやお人好しの男性が助けてくれるお伽噺ではなく、厳しいバッドエンドに
してほしい、という注文に応じて(それはそれで大変)何とかまとめました。
今は現実がさらに深刻化し、子供の6人に1人が貧困という数字もあります。親の人格を責めるだけ
では足りません。真面目でも低所得の人が増え、努力で覆せない貧困の連鎖が問題になっています。
雑誌はそれに合わせて編集されています。真面目でも低所得の家庭の生活を描いた作品が必要です。
しかし善良な貧困家庭だけでは、貧乏人=善人は非現実的だという反発もあるでしょう。
親のエゴを描いた私の作品は、バランスを取るために収録されたのではないかと思います。
貧困と一口に言っても、様々な家庭の事情があります。
単純に「バカ親」、「自己責任論」で括れないことは確かだと思います。
漫画も時代の空気を意識しながら作られています。創作もそうですが、編集もそうです。
ご興味をお持ちの方はお買い求め下さい。
なおカラーはモノクロになっていますが、カラーはHPのGallery4列5番めに上げています。
http://www.shinobumakimura.org/gallery/
posted by 183 at 11:20| 作品解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする