2016年02月01日

レディ―スコミックの脱エロ

前回書いた通り絵と作風の変遷をWorksに簡単にまとめましたが、最後にレディースコミック
に関して思うことをさらに少し加筆しました。
http://www.shinobumakimura.org/works/
ツイッターのフォロワーの方に、レディコミはエロ漫画だと思っていたと書かれて驚いたのは
私の方です。それが目当てでフォローされたのなら、期待外れで申し訳ありません。
1980年代にはもう大手がレディースコミックを出して売れに売れて数が増えていました。
当初は少女漫画の大御所だった先生方が、ベッドシーンを売りにして他愛のないラブコメを
描いたことが読者を引きつけたと記憶しますが、それだけではもたず、大手はストーリー漫画
に切り替えて、ジャンルを広げ女性向けの青年誌のように作り方を変えていきました。
私が描き始めた90年代半ばには、ホラー・ミステリー系、ホームドラマが売れていました。
過激な雑誌もありますし、話題になるのはそちらでも、当時エロを描く知人に、原稿料が私より
低く抑えられていることを聞いて驚きました。今もエロは安くて気の毒だと編集者から聞きました。
お金のためにエロを描くのがレディースコミックだ、という決めつけは事実ではありません。
漫画家は好き嫌い、向き不向きがあって、自分にできる仕事を選んでいると思います。
むしろ他のバイトの方が確実に時給をもらえるのに、安い漫画を描く最大の理由は絵を描きたい
という執念に他ならないと思います。

posted by 183 at 13:33| 漫画けもの道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月25日

病気休筆前後

HPのGalleryに、新人時代から右腕故障、病気により休筆する前のモノクロページの一部を
アップしました。絵の変化がお分かりいただけます。
投稿時代の絵が劇画風で評価されず、掲載、アンケートにつなげるために絵を人気作家に
近づけて変えろ、目を小さくして大人向きに変えろ、という当時の編集者の指示で、それぞれ
読者に受けいられるために絵を変えていました。現在配信している作品は休筆後、リハビリ
しながら少しずつ描いていたもので、腕の感覚がなく、漫画から遠ざかっていたため、むしろ
この頃より画力が落ちていましたが、ネームは自分の考えでできるようになり、時間をかけて
回復させレディースコミックでは長く続けることができました。
絵で人気をつかむこと、ストーリーで人気を維持することは、何も知らずに投稿していた頃に
想像もつかないほど難しく、特に大手は競争が当時から激烈で、常に次がどうなるかわからず、
会社勤めを続けながら、不眠不休で働きました。若さで疲れは感じませんでした、心身共に
大変なストレスにさらされました。腕の故障は原稿を上げた直後ですが、慢性的なストレスと
体調悪化で漫画を描くことそのものから遠ざかるしかなくなりました。その後はしばらく描く
気もなかったのですが、やはり思い残しが出てきたため、リハビリしながら漫画に戻りました。
病気をした時は、会社を辞めて漫画専業になった後で、休むと収入がなくなりました。
仕方なく右手に負担のかからないアルバイトをして奨学金の返済も公金の支払いもしました。
もっと運が悪ければ生きていられたかどうかもわかりません。
プロを目指す人はそれなりの覚悟と準備をしていた方がいいと思います。兼業も一つの手です。
厳しい話を書いてしまいましたが、すぐ連載、ヒットとなる場合は少ない上に、連載しても
家賃が払えない、光熱費が払えないということもありますので、慎重に準備して大胆に挑戦
してほしいと思います。兵站が不可欠です。

よろしければ、新人時代の絵もご笑覧下さい。
http://www.shinobumakimura.org/gallery/
posted by 183 at 11:33| 漫画けもの道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする